2018年12月スタートの趣味どき水曜放送シリーズは「鍋の王国」です。日本各地の鍋がなぜ誕生したのか、どう進化したのかを探る全8回です。12月26日放送の第4回は「牛鍋・すき焼き 文明開化のシンボル」です。牛鍋のレシピも紹介します。
新品価格 |
第1回ちゃんこ鍋 横綱が作った力士めし
⇓第1回ちゃんこ鍋 横綱が作った力士めし⇓
⇓第2回石狩鍋 明治維新が生んだ北の味⇓
⇓第3回 水炊き 博多っ子のごちそう⇓
⇓第5回 若草山の鍋 奈良の超グルメ鍋⇓
⇓第6回 きりたんぽ鍋 秋田のソウルフード⇓
趣味どき 鍋の王国第第4回 牛鍋・すき焼き 文明開化のシンボル 基本情報
放送日
放送日:2018年12月26日(水)
放送時間:夜9:30~9:55 NHKEテレ
再放送:2018年12月27日(木) 午前10:15~10:40 NHK総合
再放送:2018年12月29日(土) 午後3:42~4:08 NHKEテレ
出演者
ゲスト 武井壮
【今週の出演情報②】
■ 12/26(水)18:00~BS1「武井壮のパルスポーツ真剣勝負・パラバドミントン」
・21:30~NHKEテレ「趣味どきっ!鍋の王国『牛鍋・すき焼き 文明開化のシンボル』」
■12/29(土)NHKEテレ「趣味どきっ!鍋の王国『石狩鍋 明治維新が生んだ北の味』」— 武井壮 / SOU TAKEI 【出演情報】 (@takeisoumedia) 2018年12月24日
料理研究家…冬木れい
NHK趣味どきに出ます!12月5日から2ヶ月間、毎週水曜日(午後9時30分~)に出演します。テーマは日本人の冬のソウルフード、お鍋!第1回目は、ちゃんこ鍋です。是非ご覧ください。https://t.co/rWgyGbHqRk pic.twitter.com/zlJHcZKFnp
— 大きな竈(冬木れい) (@OOKINACAMADO) 2018年11月29日
解説 フードジャーナリスト…向笠千恵子
ナレーション 吉川未来(よしかわみく) 【声優】
プロフィール
- 生年月日 1983年10月12日
- 出身 大阪府
- 身長 160cm
- 事務所 青二プロダクション
- 特技 剣道初段、空手
- 趣味 観劇、読書、1人カラオケ、お酒、
ラーメン屋巡り - 主な出演 アニメよりもナレーションでの活躍が多い。蔡文姫:ゲーム「真・三國無双」シリーズ6以降、NHK「おはよう日本 」フジテレビ「さまぁ~ずの神ギ問」など
本日12月26日(水)21:30〜
NHK『趣味どきっ 〜心も身体もぽっかぽか 鍋の王国〜』ナレーション担当させていただきました。今回のお鍋はすき焼きと牛鍋。お時間ございましたら是非ご覧下さい〜! https://t.co/QnU6Q8Gp21— 吉川未来 (@39_miku_1012) 2018年12月26日
番組内容
日本人の冬のソウルフード「鍋」。このシリーズでは日本各地の鍋がなぜ誕生したのか、どう進化したのかを探る。家庭で本格鍋レシピも。今回はすき焼きのルーツを探って、横浜・京都・東京の名店を食べ歩く。一般に横浜で生まれた牛鍋(みそ味)が、関西からきたすき焼きに取って代わられたと言われているが、実はそうではなかったことを発見。
引用元:tv.yahoo.co.jp
【今夜9:30 鍋の王国】
今回はすき焼き。
横浜・京都・東京の名店を食べ歩き、
どう進化したのかルーツを探る!
ゲスト #武井壮「#趣味どきっ!」 #Eテレ
12月26日(水)午後9:30https://t.co/HAfdl8EcZU— NHK Eテレ編集部 (@nhk_Etele) 2018年12月26日
[ad#ad-2]
牛鍋・すき焼き 文明開化のシンボル
嘉永6年(1853年)、ペリー来航。
1859年、横浜開港。
1868年、神戸開港。
外国の文化が一気に流入しました。
すると、関東と関西に牛肉の鍋が誕生します。
今回も、百獣の王にして鍋が大好物の武井壮さんと、郷土料理にも詳しい料理研究家の冬木れいさんの2人がルーツを訪ねる旅に出ます。
関西
京都で古くから続くお店を訪ねます。
一行は京都市中京区の寺町通りに来ています。
本能寺の前を歩き、冬木さんが案内したのがすき焼きの老舗「三嶋亭 三条」
三嶋亭 三条
京都府京都市中京区 三条下ル桜之町405 寺町通
創業は明治6年と大古参。
明治の頃の佇まいを守っています。
伝統を受け継ぐ五代目の三嶋太郎さん。
お店には、明治時代に実際に壁に貼っていたお品書きもまだ残っており、歴史を感じさせます。
お品書きを見ると、すき焼きが3銭と記されています。
しかも、ご飯が2銭とあります。
つまり、すき焼きとご飯1膳があまり変わらない値段ということです。
これは、当時はまだまだ牛のお肉は食べるのに不慣れで、牛の方はさほど高くなかったというのが理由です。
ちなみに、関西では牛肉の鍋を「すき焼き」と当時から呼んでいたことが、このおしながきから分かります。
すき焼きの語源
もともと西日本では、鋤の鉄部分を鉄板にして魚などを焼いて食べていたといわれています。
それで すき焼きになったという説があります。
また、もう一説は、 非常に貴重なお肉である牛の命を頂くということで大切に薄くすく。
それから すき焼きとなったとするものです。
ですので、すき焼きの牛肉は明治のころから薄切りです。
三嶋亭流のすき焼きの作り方・食べ方
開店当初から、砂糖をたっぷり使うのが、三嶋亭流。
追加の砂糖もお品書きに記されるほどです。
- 鉄鍋に牛脂で 脂をひきます。
- 砂糖を鍋全体にふって広げる。
- 砂糖の上に薄切りの牛肉を並べて焼く。
- 特製のしょうゆを肉の上に垂らす。
- 肉に焼き色がついたら、ひっくり返して軽く焼く。
- 溶き卵につけて、いただく。
- 野菜は、別の鉄鍋に牛脂を塗って、砂糖はふらずに焼く。
- 今度はお肉を野菜の隣に置く。
- 砂糖をたっぷりとまんべんなく野菜と肉にふりかける。
- しょうゆを回しかける。
- ひっくり返しながらじっくりと火を通す。
- 肉の色が変わってきたら、いただく。
百獣の王も、思わず五代目とハイタッチする旨さ!
「美味しい」というよりも「幸せ」だそうです。
関西で牛肉を食べる文化が根づいた理由
関西が牛の名産地だったことに関連があると言われています。
但馬牛博物館の館長の渡邊大直さんによると、関西には現在の兵庫県・岡山県・鳥取県といった牛の産地があり、明治に入ってからは神戸ビーフだとか近江牛という牛肉の産地も生まれ育ってきたそうです。
その代表が 和牛の祖といわれる但馬牛(たじまうし)。
もとは 普通の農耕牛だった但馬牛を、外国人の求めに応じて提供したところ、非常においしかたようで、「コーベ・ビーフベリーグッド」と言ったのが、神戸ビーフの始まりといわれています。
なぜ関西の牛は美味しいのか
外国人が絶賛した理由はこの地域独特の飼育法にありました。
兵庫県の三田や有馬郡辺りでは、農民の勤勉さを牛が太っているかということで、判断をしていました。
それで年貢米を運んできた牛で、最も太った牛の持ち主に褒美を与えていました。
そうしたことから、麦を牛に食べさせて太らせる「飼い肥やし」という習慣が広がっていました。
穀物を食べさせると脂肪が蓄積されて霜降りになるのだそうです。
もともと但馬牛は 肉に脂肪がつきやすい遺伝子を持っていました。
そこに 麦を食べさせることで更に脂肪分が増えるように変化していったといいます。
ちなみに この但馬牛を交配して生み出されたのが、日本各地の黒毛和牛の霜降り肉です。
この脂肪をおいしく味わうにはどうすればいいか?
そう考えた時、関西でたどりついたのは薄く切るということだったといわれています。
[ad#ad-3]
関東
続いて二人は 文明開化の先駆けとなった横浜へ。
関東でも独自の牛肉の鍋が生まれていました。
文明開化のシンボルとして、ここ横浜で生まれたのはすき焼きではなく、牛鍋だったのです。
牛鍋がすき焼きと違う!?
冬木さんによると、その違いは一目瞭然だそうです。
一体何が違うのでしょうか。
二人は、明治のころに横浜一のにぎわいを見せた伊勢佐木町界わいにある牛鍋店「太田なわのれん」へ。
太田なわのれん
神奈川県横浜市中区末吉町1丁目1−15
こちらは明治元年創業。
七代目店主の青井茂樹さんがお出迎え。
150年前から変わらない牛鍋がこちら。
お肉の上に乗っている茶色のものは、味噌です。
つまり、牛鍋は味噌ダレなのです。
初代が、いのしし鍋、つまり牡丹鍋にヒントを得て考案したものだそうです。
いのししのお肉は、味噌で煮ることで臭みを消していたのですが、当時は肉の質も良くなく、しかも客は牛肉に慣れていなかったため、みそ味で食べやすくしたとのことです。
そして肉は、関西の薄切りと違い、大きなぶつ切り。
考案した初代が大酒飲みで、酒を飲みながら調理場で包丁を握ってたそうで、お肉も面倒だということで、最初からぶつ切りに切った。ということでした。
牛鍋の食べ方
- 鍋にかつおと昆布のあわせだしを入れる。
- 出汁が煮えてきたら、味噌が焦げないように注意して、肉をひっくり返しながらに火を通す。
- 肉の色が変わったら完成。溶き卵につけていただく。
味噌で肉の旨味を封じ込めて、口に入れた時にジワッと肉汁とおみその味が口の中に広がります。
文明開化の味といわれた 牛鍋。
創業当時は、まだ抵抗感があるので、こわごわと食べていたようです。
牛を食べる習慣がなくて、ちょっと新しくて珍しいものとして扱われていたそうです。
好奇心が旺盛な人しか食べなかったので、根付かせるのは大変ではあったようです。
[ad#ad-3]
牛鍋が消えた理由
明治初期、関西ではすき焼きが広まり、関東では牛鍋が大流行します。
しかし、その牛鍋が今ではほとんどなくなり、すき焼きに変わってしまったのはなぜなのでしょうか。
フードジャーナリストの向笠千恵子さんによれば、業界には ある定説があるそうです。
「私も いろいろ取材したんですけれども、やはり関東大震災がきっかけだったようです。
東京の牛鍋屋さんが被災して減少したところへ、関西からすき焼き店が東京へ進出してきたり、また上方のすき焼きをする職人さんが復興のために大勢やってきたので、すき焼きという形で お店を営業されるところが増えたんだと思います。」
美食家として知られた 明治生まれの喜劇役者「古川緑波」の著作「ロッパの悲食記」にも同じ記述があります。
「大体において、
大正12年の
関東大震災の後ぐらいからでは
あるまいか、
東京にも、関西風すき焼きが
進出して来たのは。」
関東の牛鍋は 関西のすき焼きに置き換えられてしまったのでしょうか?
しかし、定説を打ち破る店が 東京の日本橋に!
向笠さんの紹介で、「伊勢重」へ。
この店は明治2年の創業で、横浜の太田なわのれんの翌年の開店です。
最初は 牛鍋店としてスタートしました。
こちらのお店は、なんと創業当時から今に至るまで、すき焼きの作り方が変わっていないのです。
出てきたのは この薄切りの肉!
これは、どちらかというと関西風のすき焼きです。
伊勢重6代目社長の宮本重樹さんにお話を伺いました。
伊勢重のすき焼きの作り方
- 鉄鍋に牛脂で脂をひく。
- しょうゆやみりんなどを合わせた割り下を入れる。
- お肉を並べて、割り下で煮る。
- ひっくり返しながらお肉の色が変わって火が少し通ったら、溶き卵につけていただく。
- お肉を味わった後、しらたきや野菜などを鍋に並べて、さらにお肉も並べて再び煮る。
- 具材に火が通ったら、溶き卵につけていただく。
この形は、いわゆる関東風のすき焼きと呼ばれるスタイルです。
明治2年から、このスタイルでやっていたとすると、前述の関東大震災をきっかけに関西から伝わったという説は崩れますが、明治初期のまだスタイルが確立されていなかった時代の牛鍋は、味噌だけではなく醤油ベースの味付けがあったり、具材の切り方にも店ごとのアレンジがされてたといい、店ごとに顧客の要望に応えながら改善・進化してきた結果ということのようです。
つまり、関東のすき焼きは関西からやって来た「焼く」タイプのものではなく、牛鍋の味噌で煮る文化が独自のしょうゆ味に変化したものだったのです。
なぜ牛鍋という呼び名は少なくなった?
「下らない」という言葉ができた背景には、江戸時代にはいいものは上方(関西)からやってくるという江戸っ子にとっての潜在意識があって、関西からきたものは素晴らしい、関西から下ってきていないものは評価が低い、という意識があったそうです。
関東大震災で すき焼きっていう言葉が入ってきて、「あ~ かっこいいじゃないか」とか「いいな」っていう感じで一気に広がり、名称を変更した店が多かったようです。
日本には、数多のおいしいお鍋がありますが、心のごちそうのお鍋物というとすき焼きでしょう。
冬木れい流 家庭で本格牛鍋レシピ
ご家庭でも明治時代にタイムスリップ!
冬木さんの本格牛鍋レシピです。
本格牛鍋の材料
味噌だれ
- 江戸前みそ 300g または、塩分が低めのみそ300gと砂糖大さじ3で代用。
- 酒カップ 1/2
- みりん カップ1/4
鍋(3人前)
- 牛ももかたまり肉 500g
- 焼き豆腐 1/2丁
- ねぎ 1本 3cmの長さに切る。
- しいたけ 4こ
- 春菊 1/2ワ
- しらたき 1/2袋
- だし(昆布・かつお) カップ2と1/2
本格牛鍋の作り方
味噌だれを作る
まずは味の決め手、味噌だれです。
- 鍋に味噌を入れる。
- 酒・みりんを加えて味噌を溶かす。
- 強火で一気につやが出るまで練り混ぜる。
- 器に移して完成。
鍋を作る
牛鍋の欠点は焦げやすいこと。
焦げ防止として、最初にだし汁を入れる。
- 具材と肉を食べやすい大きさに切る。
- 鍋にだしカップ1/2を入れて、だしに浸かるように牛肉の半量を並べる。
- 牛肉の上に味噌だれを120gほど乗せる。
- ネギを味噌だれの上に乗せる。
- 火を点けてだし汁が沸騰するまで加熱する。
- 沸騰してきたら、味噌だれをだし汁に溶かしつつ、肉やネギに火を通す。 ※焦がさないように注意。
- 肉に火が通ったら、肉とネギを溶き卵につけていただく。
- 食べ終わったら、残りのだし汁や味噌だれを入れて味の濃さを調整し、残りの具材を入れて煮る。
- 火が通ったら、溶き卵につけていただく。
まとめ
京都、横浜、東京、と回った今回の旅ですが、武井さんは今回の旅を漢字の「一」でまとめていました。
いろいろな食材が一つのお鍋に集まって、我々の食卓を楽しませてくれる最高の ごちそうでもあるといこと。
いろいろな地域で生まれた、牛鍋だったり、すき焼きだったり、関西風だったり、関東風だったりというものが、いろいろな交流を経て一つの「すき焼き」という文化をまとめ上げたということ。
そして これを食べれば、家族が皆一つになれるということ。
つまり、ナンバー1ということでございます。
もう、これが最終回でもいいような上手いまとめでした。
今回は、すき焼きについて大変勉強になりました。
次回も楽しみです。
趣味どき 鍋の王国のテキスト
今回の牛鍋の詳しいレシピと、また冬木さん流のすき焼きのレシピも、テキストに掲載されています。
新品価格 |
冬木れいさんの本
中古価格 |
趣味どき おすすめシリーズ
クリック⇒美筋ボディーメソッドシリーズ
クリック⇒わたしの夜時間シリーズ
クリック⇒カレーの世界シリーズ
クリック⇒柔軟講座シリーズ
クリック⇒カラダ喜ぶベジらいふシリーズ
クリック⇒毎日さかな生活シリーズ
クリック⇒アジアごはんシリーズ
クリック⇒幸せのプリンシリーズ
クリック⇒自律神経セルフケア術シリーズ
クリック⇒おひさまライフシリーズ
クリック⇒おとなの歩き旅 秋シリーズ